鉱石魔術

鉱石魔術は、自然界のエネルギーを6属性[火・水・地・風・光・闇]に分類し、それぞれに対応する6種の魔鉱石[ルビー/サファイア/コハク/エメラルド/クリスタル/アメジスト]を媒介として発動する近代的な魔術。
グラン・グリモワールによって発明され、魔鉱石さえあれば、誰でも使える魔術として、わずか数年のうちに世界中へ広まった。ただし、魔鉱石は消耗品であり、一度使用すると輝きを失い、二度と魔術の媒体として使えなくなる。

原理

鉱石魔術の相性
鉱石魔術には、水は火を鎮め、地は水を抱き、風は地を削り、火は風で踊る、光あるところに闇あり、という自然界の法則が適応される。従って6つの属性には、サファイヤ(水)はルビー(火)に強く、コハク(地)はサファイヤ(水)に強く、エメラルド(風)はコハク(地)に強く、ルビー(火)はエメラルド(風)に強い、というジャンケンに似通った力関係が存在する。また、クリスタル(光)とアメジスト(闇)は、互いにその効果を打ち消し合う。

デュアルスペル
2種の魔術を同時に発動し、それらを融合させることで、新たな魔術を生み出す技術。例えば、火と風を組み合わせることで火炎を纏った暴風を作り出すことができる。これは、使用者のイメージと制御によって形作られるものであるため、組み合わせた魔術が同じでも、発動者の熟練度や発想によって効果や威力が異なる。

魔術一覧

※【】の数値は消費マナ数

火属性
対応鉱石:ルビー
適応種族:ビースト
低位【1】エンチャント(炎)
物体に火を灯す。日常生活に役立つ魔術。応用編として、武器や拳に火炎を纏わせることが出来る。

【2】ブレス
小さな火球を連続で発射する魔術。6属性の中で、最もコスパの良い攻撃魔術として知られる。
中位【4】イグナイト
3ロルの間、全身の筋肉にマナを循環させ、パワーをメインとする身体能力を強化する。

【5】ブラスト
鋼鉄をも溶かす、灼熱の火炎を放射する。高い威力を誇るが、他の魔術より射程は短い。
高位【10】ヴォルガニール
大地を裂くように、鮮烈な火柱が天へと突き抜け、燃え盛る炎と極限の熱波で周囲を灼き尽くす。
水属性
対応鉱石:サファイヤ
適応種族:セイレーン
低位【1】エンチャント(水)
大量の蒸留水を水玉の形で召喚する。水属性の魔術には欠かせない水源を供給できる。

【1】マリナー
周囲に存在する水の流れを意のままに操る。ただし、生体内の水分に直接干渉する事はできない。
中位【3】セルシウス
触れた水を極限まで冷却し凍結させる。生物に対しても有効。

【5】リクイファイ
1ロルの間、自分の体を液状化する。物理攻撃を無効化したり、狭い空間をすり抜けたりできる。
高位【8】ネプチューン
大気中の水分を操り、局地的に超巨大な海を出現させ、圧倒的な水圧であらゆるものを押し潰す。
地属性
対応鉱石:コハク
適応種族:ゴーレム
低位【1】エンチャント(地)
砂を召喚して、煙を舞い上げ敵の視界を奪う。砂から砂鉄を抽出し、鉄の装備を作れる。

【1】ロックロック
2ロルの間、肌を硬化させ、物理攻撃を軽減する。衝撃を受けてもダメージを最小限に抑える。
中位【3】スプリング
任意の植物の種を召喚し、即座に急成長させ、その場に遮蔽物や足場を作ることができる。

【5】スパイク
地面や壁面の形状を変化させて攻撃する。発動地点は自由だが、固い地面ほど威力が増する。
高位【8】アステロイド
上空から小隕石を落とし、広範囲を破壊する。衝撃と爆風による二次被害も発生する。
風属性
対応鉱石:エメラルド
適応種族:エルフ
低位【1】エンチャント(風)
風に乗せた音を操り遠くへ声を届ける。微小な風の変化を感じ、敵の気配を正確に察知する。

【1】シーカー
4ロル間、周囲の風の流れを自在に操り、風をまとって高速移動できるようになる。
中位【3】


【5】ツイスター
投擲物に風を纏わせ、精度を向上させる。風の力でその軌道を修正し、追尾させる事も可能。
高位【8】サイクロン
竜巻を発生させ、あらゆるものを巻き込みながら薙ぎ払い、強風で敵を遥か彼方へ吹き飛ばす。
光属性
対応鉱石:クリスタル
適応種族:なし
低位【1】エンチャント(光)
8ロルもの間、水中呼吸を可能にする。潜水技術も飛躍的に向上する。

【1】イース
中位【3】ディザーム
真っ白な閃光を放ち、それが相手に命中した場合、強制的に魔道具を手から弾き飛ばす。

【5】イースター
光を物質化する魔術。光の剣を生成したり、空間に光の壁を作って防御したりすることができる。
高位【8】ブリューナク
何千本もの光の矢が天から降り注ぎ、大地を貫くように、広範囲の敵を掃討する魔術。
闇属性
対応鉱石:アメジスト
適応種族:ダークエルフ
低位【1】エンチャント(闇)
8ロルもの間、水中呼吸を可能にする。潜水技術も飛躍的に向上する。

【1】バーサク
影から影へ移動できる。視野範囲の影なら、どこでも跳躍可能だが、強い光の下では使えない。
中位【3】バーサク

【5】グレイプニル
影に覆われた地面や壁から、無数の黒い手を生成し、それらを自由自在に使役する魔術。
高位【2】グラウンドゼロ
絶対的な呪いの魔術。その発動と同時に相手は2マナを消失する。ただし、一度しか使用できない。

刻印魔術

刻印魔術はアルカニアにのみ存在する独自の魔術体系である。魔術の情報を刻印として身体に刻み、血統を通じて同じ系統の力を継承する。この刻印は幾世代を超えて受け継がれ、磨かれることで魔術は進化し、より強大な力となっていく。千年戦争の勃発以降、アルカニアは刻印魔術を研鑽し、その中でも四つの名家が頂点に立ち、大陸の覇権を握った。
刻印魔術には、二段階の発動状態が存在し、状況に応じて使い分けることができる。さらに、他の魔術と異なり、魔導器を必要としないという特性を持つ。この圧倒的な柔軟性と即応性により、アルカニアは魔術戦において他種族を大きく上回る戦力を発揮してきた。しかし、刻印を受け継ぐ者はその力と共に逃れられない宿命を背負う。ある者は誇りとし、ある者は呪いとしながらも、誰一人として刻印の呪縛からは逃れられない。それでも彼らは力を磨き続け、刻印魔術は未来へと継がれていく。

法則

《C》コントロール
【消費マナ:5以上】
刻印魔術の基本となる状態であり、魔力を制御しながら安定して発動するための段階。この状態では魔力消費が抑えられ、長時間の使用に適しているため、戦闘や日常の魔術行使において最も一般的に用いられる。多くの刻印持ちは、《C》状態で魔術を極めることを目指し、この段階を自在に操れるだけでも、十分な実力者とされる。

《OD》オーバードライブ
【消費マナ:15以上】
刻印の真の力を解放し、限界を超えた出力を引き出す状態。魔術の威力や効果範囲が飛躍的に向上するが、マナ消費が激増し、肉体への負担も極めて大きくなる。習得には長年の修練と天才的な才覚が求められ、扱えるのはごく一握りに過ぎない。
しかし、《OD》を維持し続けることは極めて危険であり、無理に発動すれば刻印の力に呑まれ、制御不能に陥る可能性すらある。発動時には、肌に刻まれた魔術刻印と、カラフルな瞳、髪が淡く発光する。

四代名家の刻印



ノワール

ルクシア家
太陽と三日月の輝き権力と畏怖の象徴圧倒的な殲滅能力


ルミエール

ブランフォード家
黒い五芒星と白の盾誠実と守護の象徴防衛と味方の支援


サウザンド
アイズ

ガルナード家
森羅万象を映す瞳知恵と洞察の象徴情報収集や精神干渉


ラビリンス

ドレイク家
不可思議な双弓月天変地異の象徴空間や概念への干渉

精霊魔術

精霊魔術とは、精霊族だけが生まれながらに持つ、唯一無二の魔術である。人間族が魔術を体系化する以前から存在していた、古く原初的な力であり、本来の魔術の原型に最も近い、とも言われている。この魔術は、それぞれの精霊に完全に属しており、他者に教えたり、継承したりすることはできない。また、術者の生き方や価値観、精神性を反映する鏡のような性質を持ち、発現する力は精霊ごとにまったく異なる。

法則

デュアルスペル
2種の魔術を同時に発動し、それらを融合させることで、新たな魔術を生み出す技術。例えば、火と風を組み合わせることで火炎を纏った暴風を作り出すことができる。これは、使用者のイメージと制御によって形作られるものであるため、組み合わせた魔術が同じでも、発動者の熟練度や発想によって効果や威力が異なる。

ビーストトルマリカ
セイレーンセレネア
ノームローゼンクランツ
エルフアルンヘイム

聖遺物

優秀な魔術師が長く使い続けた魔導器には、その魔術が刻まれ、やがて持ち主がいなくても魔術を発動する力を持つようになる。そのような魔導器を聖遺物という。しかし、市場に出回る聖遺物の多くは偽物であり、高額で取引されるが本物はほとんど存在しない。ごくわずかに本物を手にした者は、計り知れない力を得るが、その希少性ゆえに争いの火種となる事もある。
グリモワールの魔導書は、その典型である。

  • 普及国家
    ノルデン連邦
  • 適応種属
    トールマン

異能力

異能力は、エンジェルやデーモンが持つ、生まれつき備わった力であり、魔術とは異なる原理で発動する。彼らの存在がマナそのものであるため、魔導器のような媒介は不要であり、ただ意識すれば発動する。これは、まるで人間が手を動かすことや息をすることと同じように、本能的なものだ。また、魔術とは違い、異能力にはマナの縛りがない。魔術は、強大な力を扱うためにマナを制御し、術式や媒体を通じて発動するが、そのマナには一定の縛りがあり、強大な魔術ほど特定の条件や制約を持つ。一方で、異能力はマナの枠に囚われないため、半永久的に使用できるという長所を持つ。ただし、魔術は異能力と比べて、鍛錬や研究によって強化できる余地が大きく、結果として魔術の方がより強大な力を発揮することも多い。