◾️アルカニア主体の由緒正しい魔術機関。刻印魔術を受け継ぐ正統なる魔術の総本山として、長きにわたり魔術の権威を独占してきた。◾️彼らにとって、魔術とは神聖な血統を通じてのみ受け継がれる崇高な力であり、強者こそが世界を導くべきだという思想が根強い。内部では四代名家と、少数の外様の実力者のみが絶対的な権力を持ち、血統や才能のない者は価値を認められない風潮がある。◾️近年ではグリモワール魔術連合の台頭により、その支配力は揺らぎつつある。鉱石魔術の普及によるトールマンの台頭を危険視している。
ルクシア家は四大名家の中でも最も広く知られる家系であり、エルド地方に本家を構えている。多くのマギアを南北戦争に投入してきた実績を持ち、その名声は戦場における圧倒的な存在感によって築かれてきた。刻印魔術「ノワール」は攻撃と殲滅に特化しており、その苛烈な性質こそがルクシア家を象徴する力である。戦いの場では常に前線に立ち、敵軍を容赦なく打ち砕いてきた。彼らの振るう魔術は破壊の嵐そのものであり、その姿はまさに戦争の化身として恐れられてきた。だがその強大な力には代償がある。生まれながらにして戦うことを宿命づけられた彼らにとって、戦争とは単なる任務ではなく、生きる意味そのものだ。名を残すこと、破壊によって歴史に刻まれること、それがルクシア家にとって最大の誇りとなっている。 |
ブランフォード家は、セネレアに本家を構え、四大名家の中でも最も穏やかで温厚な家系である。彼らは礼儀や他者との調和を大切にする風潮があり、刻印魔術「リュミエル」もまた、その精神に根ざしている。この魔術は敵を倒すためではなく、自分や味方を守るために発展してきたものだ。防御や支援に特化しており、味方を護り、回復し、さらに力を高める力を持っている。ルクシア家とは魔術に対する理念が正反対であり、そのため一族同士の関係は昔からどこか噛み合わないままだ。ブランフォード家の者たちは争いを好まず、常に平和的解決を求めるが、いざ戦場に立てば、彼らの存在は戦局を支える最も重要な礎となる。戦いが長引くほど、彼らの力は真価を発揮し、味方を勝利へと導く支えとなる。 |
ガルナード家は、メガロバニアの一角に本家を構える。四大名家の中でも最も厳格な一族であり、才能のない者は容赦なく淘汰される。中途半端な者は幼少期に養子に出され、ガルナードの名を名乗ることすら許されない。そのため、彼らの一族には弱者がほとんどおらず、鍛え抜かれた少数精鋭の血族だけがその名を背負うことになる。彼らの刻印魔術「サウザンドアイズ」は、精神干渉や情報収集に特化しており、戦場では索敵、指揮、精神操作に優れた力を発揮する。彼らの視線が届く限り、敵は決して隠れることはできず、戦況は常に彼らの手の中にある。また、ガルナード家の者たちは、知識と洞察を何よりも重んじ、無知を最大の罪と考えている。彼らは単なる戦士ではなく、戦場全体を見通す知略の持ち主であり、その存在は戦局そのものを左右する。 |
ドレイク家は、四大名家の中でも最も異端とされる一族であり、その魔術に対する考え方は他の家とはまったく異なる。彼らには本家や分家といった明確な家系の区分が存在せず、その起源もいまだ謎に包まれている。ただし、ノルデンビークを中心とする北部の各地には、ドレイクの姓を持つ者が点在しており、彼らが共通の血を引いていることは間違いないとされている。一族の中では、特に際立った才覚を持つ者が重視され、その力を徹底的に磨き上げていく。こうした風土のためか、ドレイク家の者は総じて個性が強く、他の三家とは昔からあまり良好な関係を築いてこなかった。ドレイク家は勝利よりも支配を重んじる。彼らの刻印魔術「ラビリンス」は空間や概念に干渉する力を持ち、敵を惑わせ、混乱させ、戦場全体を混沌に陥れる。 |
大陸魔導教会の階級制度は、絶対的な血統によって厳格に管理されている。教皇や枢機卿といった上位の地位をめぐっては、四大名家が代々にわたり、その座を奪い合ってきた。先代の教皇がなくなって以降、その座は空席であり、教会の最高位は不在となっている。実質的な権力は枢機卿が握っているが、高齢であることから教皇に就くことを自ら退け、教会の指導体制は曖昧なまま停滞している。後継の道筋を明示しないその姿勢に対して、不安や焦りを抱く勢力も少なくない。こうした状況の中、教皇の座を巡る水面下での権力争いが、四大名家の間で密かに始まりつつある。
教皇 | 大陸魔導教会の最高指導者であり、組織の頂点に立つ存在。 |
枢機卿 | 教皇を補佐し、教会の中枢を担う。大陸魔導協会の最高幹部。 |
本家 | 直系の血統。代々その家の刻印魔術を最も純粋な形で受け継ぐ、象徴的な存在。 |
分家 | 本家から枝分かれして成立した家系。刻印の純度は本家に比べて劣ることが多い。 ただし、個人の才能によっては本家に匹敵する力を持つ者も現れる。 |
宗家 | 本家から遠く離れた血縁関係にあり、本家との直接的な関わりは希薄である。 刻印の純度は薄いが、ごく稀に本家に匹敵する力を持つものが現れる。 |
他家 | 大陸魔導教会の最高指導者であり、組織の頂点に立つ存在。 |
従者 |
大陸魔導教会の傭兵は、もともと戦力不足を補うために雇われた外部の戦士たちだ。教会はアルカニアの血を引く者たちだけで構成される閉じた組織だったが、南北戦争の長期化によって多種族を金で雇い入れる必要が出てきた。
教会が直接手を出したくないような汚れ仕事や、危険な戦場に派遣され、即戦力として使われることが多い。魔術を扱う者もいれば、肉体で戦う者もいる。教会を信用していない者も多いが、金さえ払われれば任務は遂行する。
ヘカテー