ルクシア家は四大名家の中でも最も広く知られる家系であり、エルド地方に本家を構えている。多くのマギアを南北戦争に投入してきた実績を持ち、その名声は戦場における圧倒的な存在感によって築かれてきた。刻印魔術「ノワール」は攻撃と殲滅に特化しており、その苛烈な性質こそがルクシア家を象徴する力である。戦いの場では常に前線に立ち、敵軍を容赦なく打ち砕いてきた。彼らの振るう魔術は破壊の嵐そのものであり、その姿はまさに戦争の化身として恐れられてきた。だがその強大な力には代償がある。生まれながらにして戦うことを宿命づけられた彼らにとって、戦争とは単なる任務ではなく、生きる意味そのものだ。名を残すこと、破壊によって歴史に刻まれること、それがルクシア家にとって最大の誇りとなっている。 |
ブランフォード家は、セネレアに本家を構え、四大名家の中でも最も穏やかで温厚な家系である。彼らは礼儀や他者との調和を大切にする風潮があり、刻印魔術「リュミエル」もまた、その精神に根ざしている。この魔術は敵を倒すためではなく、自分や味方を守るために発展してきたものだ。防御や支援に特化しており、味方を護り、回復し、さらに力を高める力を持っている。ルクシア家とは魔術に対する理念が正反対であり、そのため一族同士の関係は昔からどこか噛み合わないままだ。ブランフォード家の者たちは争いを好まず、常に平和的解決を求めるが、いざ戦場に立てば、彼らの存在は戦局を支える最も重要な礎となる。戦いが長引くほど、彼らの力は真価を発揮し、味方を勝利へと導く支えとなる。 |
ガルナード家は、メガロバニアの一角に本家を構える。四大名家の中でも最も厳格な一族であり、才能のない者は容赦なく淘汰される。中途半端な者は幼少期に養子に出され、ガルナードの名を名乗ることすら許されない。そのため、彼らの一族には弱者がほとんどおらず、鍛え抜かれた少数精鋭の血族だけがその名を背負うことになる。彼らの刻印魔術「サウザンドアイズ」は、精神干渉や情報収集に特化しており、戦場では索敵、指揮、精神操作に優れた力を発揮する。彼らの視線が届く限り、敵は決して隠れることはできず、戦況は常に彼らの手の中にある。また、ガルナード家の者たちは、知識と洞察を何よりも重んじ、無知を最大の罪と考えている。彼らは単なる戦士ではなく、戦場全体を見通す知略の持ち主であり、その存在は戦局そのものを左右する。 |
ドレイク家は、四大名家の中でも最も異端とされる一族であり、その魔術に対する考え方は他の家とはまったく異なる。彼らには本家や分家といった明確な家系の区分が存在せず、その起源もいまだ謎に包まれている。ただし、ノルデンビークを中心とする北部の各地には、ドレイクの姓を持つ者が点在しており、彼らが共通の血を引いていることは間違いないとされている。一族の中では、特に際立った才覚を持つ者が重視され、その力を徹底的に磨き上げていく。こうした風土のためか、ドレイク家の者は総じて個性が強く、他の三家とは昔からあまり良好な関係を築いてこなかった。ドレイク家は勝利よりも支配を重んじる。彼らの刻印魔術「ラビリンス」は空間や概念に干渉する力を持ち、敵を惑わせ、混乱させ、戦場全体を混沌に陥れる。 |
大陸魔導教会の階級制度は、上層ほど血統が重視される一方で、下層では個人の能力や実績が評価されやすい仕組みになっている。名家の血を引く者が序列の上位に立つのが当然とされるが、それだけで全てが決まるわけではなく、実力によっては下層の者でも教皇を目指すことは可能である。とはいえ、教会の中心に近づくほど、血統の重みはより強くのしかかってくる。現在、教皇の座は空席のままで、教会の最高位は不在となっている。実質的な権力は枢機卿が握っているが、高齢であることから教皇に就くことを自ら退け、教会の指導体制は曖昧なまま停滞している。後継の道筋を明示しないその姿勢に対して、不安や焦りを抱く勢力も少なくない。こうした状況の中、教皇の座を巡る水面下での権力争いが、四大名家の間で密かに始まりつつある。
教皇 | 大陸魔導教会の最高指導者であり、組織の頂点に立つ存在。 |
枢機卿 | 教皇を補佐し、教会の中枢を担う最高幹部。 |
本家 | 直系の血統。代々その家の刻印魔術を最も純粋な形で受け継いでおり、 一族の象徴的な存在とされる。 |
分家 | 本家から枝分かれして成立した家系。刻印の純度は本家に比べて劣ることが多い。 ただし、個人の才能によっては本家に匹敵する力を持つ者も現れる。 |
宗家 | 宗家は、本家から遠く離れた血縁関係にあり、本家との直接的な関わりは希薄である。 刻印の純度は薄いが、ごく稀に本家に匹敵する力を持つものが現れる。 |
神官 | 直系の血統。代々その家の刻印魔術を最も純粋な形で受け継いでおり、 一族の象徴的な存在とされる。 |
司教 | 本家から枝分かれして成立した家系。刻印の純度は本家に比べて劣ることが多い。 ただし、個人の才能によっては本家に匹敵する力を持つ者も現れる。 |
従者 | 宗家は、本家から遠く離れた血縁関係にあり、本家との直接的な関わりは希薄である。 刻印の純度は薄いが、ごく稀に本家に匹敵する力を持つものが現れる。 |